もうすぐ
東日本大震災から、もうすぐ一年になります。
思い返すと
当日、自分は配達先の飲食店さんに納品後、話をしていました。
はじめは軽い横揺れで、「あぁ、地震ですねー。」って言ってたら、だんだんと揺れが強くなっていき、そのお店の店長が「外に逃げろ!」という声とともに皆、建物の外に出ました。
すると、立っていられないくらいの揺れ、女性の方などは座りこんでいました。いまだかつて経験したことのない揺れ、ただ驚くばかり。
車に戻り、ラジオから大津波警報10メートルとか20メートルとか流れていた。
すぐに嫁さんに電話。
幸いすぐつながって、無事を確認。嫁はショッピングセンターにいたようで、ガラスが次々と割れだし、持っているもので頭を覆いながら逃げたそうだ。娘たちは、幼稚園の庭に全員避難。
危ないからしばらくは、幼稚園で待機をお願いした。
通常だったら20分くらいで自宅(店)に着くのだが、停電で信号がついていないため交差点は混乱。
大きな道であれば警察が誘導しているが、全然足りないのだろう。
1時間半くらいかけて帰ってみると、店内が酒びたしだった。
予想した通り、棚やら冷蔵庫などから、落ちて瓶の破片が散乱。とりあえず皆で、床を新聞紙で敷きつめるだけだった。
暗くなってきたから、これ以上は危ないからと、働いてもらっている若い子たちも、帰宅してもらった。すでに道は大渋滞だったが、気をつけてとしか言えなかった。
その夜は、電気が復旧するのがいつになるかもわからいし、余震が多い。
家の中は危ないと判断し、家族4人で車中で寝ることにした。娘たちには「今日は車で寝ようぜー!」って明るく振る舞ったが、今日は寝れないなと思っていた。
夜9時過ぎに、車に乗り、テレビをつけた。その時はじめて東北沿岸に押し寄せる津波を映像で見た。起こっていることが、すぐには理解できなかった。
ほとんどの国民がそうだったんじゃないかなと…。
店前の道路も、ほとんど車が動かない状態だからか、夜中になっても、徒歩で帰宅するのであろう人たちが真っ暗のなか途切れなかった。
都内では帰宅難民として取り上げられ、人々の冷静な行動に世界から称賛された。その半面、政府の対応には厳しい批判があつまったようだったが。
翌日、朝からお店の掃除。電気はこないしラジオを店内に流しながら、少し暗いなか行っ
た。
今日の仕事は掃除だなと思っていたら、結構な数のお客さんが来た。
聞くと、近隣のコンビニ、スーパー、ショッピングモールは営業していない。そのため、水やお茶を求める方や、出張で戻れないサラリーマンの方たちは、「することないから、お酒飲むしかない」とか…。
驚いたのは、1時間くらいかけてタバコを売っている店を捜してたのだとか…。
レジは使えないし、宇都宮はパニックになっていなかったから、「まとめて500円でいいですよ」とか、そん(損)な、販売をした。
ただ、ウチは酒屋。酒しか置いてないから、さほどお役には立たなかったんじゃないか?店内の掃除が一段落したのは、2週間後くらいだったろうか…。
東北支援という動きが加速するなか、地震で割れなかったが売り物にならない商品を、半額以下で販売。そのお金は全額義援金とします。というようなコーナーを置いたら、多くのお客さんが買っていった。
ブログか何かで書いたら、栃木県外からも、多く問い合わせがきた。手にとってお酒を確認出来ない為、お気持ちだけで嬉しいです。ありがとうございます。と県外販売はしなかった。
その後、音楽が趣味な自分は、チャリティーCDの販売協力店をして販売させていただいた。
これは以前ブログ書いた通り、東北に音楽を鳴らす場所をつくるための「東北ライブハウス大作戦」の一環。
どのような形でも、この先ずっと、なんらかの支援をしていこうと思っている。小さなことしか出来ないお店ですが…。
風評もあった。
原発事故後、来店されたお客さまから「栃木のお酒は、もうダメでしょ?」と何度か言われたことがあった。
実際、栃木県内の清酒の出荷量は激減した。
先日、地元の下野新聞で、津波が来ているなか、お付き合いしていた男女二人のやりとり「5通のメール」が掲載されていた。
男性は助かり、残念にも、女性の方は津波で命を失った。
その記事を読んで、あらためて身震いした。
もしも、自分だけが助かり、家族、娘たちを突然失ったらと思うと…。
それを受け止め、前を向いていけるか?
そういった人々は、東北には数えきれないほどいるだろう。それでも、生きていこうという心の強さに感服する。
地震だけだったら、もっと早く復興できた。と、思う。
亡くなられた方たちは戻ってはこいが…。
問題は原発。
人間が作り上げたものが、邪魔をしている。
ということは、人間の手で脱原発できるということでは?
子供たちに負の遺産を残すこと、背負わせることはない。
お願いしますよ。政治家先生の皆さん。
3月11日には、この曲を聞きます。なんとなく。
※歌詞の内容とは関係ありませんが…
What Am I Bid - Bill Jones